-------------------------------------------------------------------------------- 15/0/0/2/魂散導0薬炸/否定島−11子 15/0/2/1/速詠虚炎/末軌由卯 -------------------------------------------------------------------------------- オシャレ、か。まあ今のわたくしはただの枕。できるオシャレなどせいぜいかわいい枕カバーを巻くぐらい。あれっ、 それって結構重要なのでは? よし、おしゃれな枕カバーを探しにいくとしまう! あはは、しまう、だって! あ はははははは! 噛んだ! 決め台詞で噛むって! あはは、ははっはははは! はは、は、は、笑いが、止まら、 うぷっふ、ふふ、ふふふ……あはははは! 末軌は、目の前で枕が馬鹿笑いする様を、呆然と眺めていた。 この枕投げ。自分では、かなりはしゃいでいるつもりだった。 恥を忘れ、プライドをかなぐり捨てて、しっかりと楽しんでいる。そのつもりだった。 実際、普段の自分に比べたら、かなりはしゃいでいる方だとは思う。 しかしどうだ。目の前の女は、まさに恥も外聞もなく、全身で枕投げを楽しんでいる。 彼女も普段は花も恥じらうような、清純な乙女であるに違いない。 しかし修学旅行の夜。一生に残る思い出。 ここではしゃぎきらなかったら、絶対に後悔する。 そういった思いで、この枕投げに臨んでいるのだ。覚悟が違う。 この女性に比べたら、自分のはしゃぎ方など、まだまだ恥じらいすぎなくらいだ。 「これでは、いけません」 プライドは捨てると決めたはず。勝ち負けではないが、せめてこの女性よりは、 はしゃぐべきだろう。 末軌は、そう思い、けれどはしゃぎ慣れていないので何をすればいいかが解らず、 とりあえず、服を脱いだ。 「きゃーっ、末軌くん、なにしてんの!?」 「わー、末軌が壊れたー!」 ぐっ。いやいや、なんのこれしき。 今だけはプライドを捨てるのです。 いくら笑われたってかまうものですか。 と。一人馬鹿笑いを続けていた枕が、末軌に顔を向けた。 ははは、は。わ、裸だ。ラ・マンだ。うわー。意味が解りませんが、ベストキショイスト、要る? えー。 末軌は、その場に倒れ伏した。 裸で。 -------------------------------------------------------------------------------- 勝者:何がなんだか、否定島 --------------------------------------------------------------------------------