-------------------------------------------------------------------------------- 15/0/0/2/魂散導0薬炸/夜の否定島 −7000子 10/0/0/3/速熱舞封先/夜の天王洲あいる -------------------------------------------------------------------------------- 恩人も、悪を清掃するとおっしゃっておられた。正義を志す人間の多きことは素晴らしきことかな。あっぱれ。 僕様ちゃんも、非毒電波を清掃することで世界平和を目指したりしちゃおっかな! かなかな! レッツ正義! 「あ、枕人間! よーし、焼こう!」 不吉なアクション宣言が遠くから! よし、対抗アクション発動! 目視! えっ。だ、大丈夫? 目になんか 刺さってますよ? アンテナ? なーんてな。うそうそ、なーんにも刺さってない。私の心にも何も刺さらない。 なんか動いてるもんねそれ。つまり刺さってるんじゃない! 触覚的な何かと見た! 見抜いた! ほらまた動 いた! ほら! ホラー! 怪奇! アンテナ人間! くそー意外と改造人間が多いぞこの業界。だが最後に勝 つのはいつも正義の味方つまりわたくし否定島−子、実は『正義の味方』検定4級! あいるは枕にゆっくりと近づきながら、首をかしげる。 「やだなー、正義の味方と言えば私でしょ? つまり枕人間は偽物! 悪!」 なるほどそう来たか、考えたなアンテナ! じゃあ私が言葉の一号、キミが暴力の二号ということでここはひと つまるくおさめられないよねーわかってます、わかってました。未来視! 昔から言うもんね、「正義の反対は、 義正、つまり、犠牲」って。だからなんだって話だよね。昔から言えばいいってもんじゃないよホント。 「何が言いたいの? もう焼いていい?」 言いながら、既にあいるは舞踏剣を起動させている。 焼くの? えっ。何を。ヤキモチ? 誰に? ワタシ? 美しさに対する嫉妬? オーシット! アウチ! ノ ウ! 焼けよ! 嘘です! 焼かないで! ワタシセイギ。アナタセイギ。トモダチ! 「友達?」 一瞬、アンテナがキチキチと蠢いた。しかし、表情はすぐに不快げな色に塗り替えられる。 「や、嬉しいけど、枕はいいや」 そしてまた振るわれる舞踏剣。という名の、熱された枕。 アンテナのくせに枕差別か! なーんてな! 馬鹿になんてしてないよ! だから焼かないでわー痛いちょっと ちょっと、クイズ! クイズをやりまーす第一問! 手足使えない人間に対してその仕打ちは、はたして正義と 呼べるのでしょーうか? 「呼べる!」 即答して、尚も連打。 しかし殴られる枕は、不敵な笑みを浮かべた。 ケーッケッケ、だまされたな! 俺様は今、「正義と呼べるのでしょーうか、と問われた場合の答えは人それぞ れで・す・が、パンはパンでも白と黒のかわいい動物はぱーんだ?」という問題を出すつもりだったのだ! こ れを人はひっかけ問題と呼びまーす! 正解はパンダ、アンテナ人間は不正解です! 残念! 「えー、ずるい! ……でも、間違いは間違いか……くそう」 高らかに笑う枕の前で、ゆっくりとあいるが膝を折る。 こうして、ある意味似たもの同士の二人の戦いは終わった。 勝負に勝ったのは否定島だったが、その戦いを横から眺めていた者たちからすると、 その勝ち方は、正義というよりは悪人のようだった。 というかまるっきり子どもだった。 -------------------------------------------------------------------------------- 勝者:正義! 否定島 −子 --------------------------------------------------------------------------------