Linuxとは本来カーネルのみを指す呼称であるが、今日ではこのLinuxカーネルにGNU Projectのソフトウェアや、X Window Systemなど別のプロジェクトやライセンスのもとで開発が行われたソフトウェア製品群をパッケージ化し、Linuxカーネルとともに配布するLinuxディストリビューションを指しており、これを単にLinuxと呼ぶこともある。 Linuxカーネルを用いて構築されたOS環境は、一般的にはUNIX系OS、UNIX互換OS等として分類される。ただし厳密には、本来のUNIXと混同して扱うことは適切ではない。なぜなら、UNIXの標準的なAPIなどを定めた仕様であるPOSIXをおおむね満たしているものの(たとえ実質的にPOSIXを満たしていたとしても)、ほとんどのディストリビューションがPOSIX自体を取得しておらず[注釈 1]、UNIXの商標を取得しておらず(商標UNIXではない)、既存のUNIXからのforkやソースコードの流用等も行われていない(血統上のUNIXでもない)からである。 かつては「ハッカー(クラッカーの意味ではない)のOS」としてのイメージが強かったが、最近ではユーザーフレンドリーなデスクトップ環境が充実し、さらにシステムやソフトウェアパッケージ等の管理システムも発達し、グラフィカルなラッパー等が充実した結果、システムの保守運用も容易なものとなったため、それまで縁遠いものとされてきたエンドユーザーの一部にも普及し始めている。 Linuxは無料な上、オープンソースで改良も自由であるが、使用するにあたりソースの改良は公開しなければならないという条件がある。この多くの利用者の知識を取り入れるというウィキペディア(→オープンコンテント)とよく似た利用方法が、冷蔵庫やオーブンといった家電製品に携帯電話など、各方面に利用できる「幅広い機能」と数多くの利用者による修正を経た結果の「高い信頼性」に繋がっている。 1991年にフィンランドのヘルシンキ大学の大学院生(当時)Linus Torvalds氏によって開発された、UNIX互換のOS。その後フリーソフトウェアとして公開され、全世界のボランティアの開発者によって改良が重ねられた。Linuxは学術機関を中心に広く普及しており、企業のインターネットサーバとしても多く採用されている。最近では携帯電話やデジタル家電など組み込み機器のOSとしても普及し始めている。 Linuxは既存のOSのコードを流用せず、0から書き起こされた。GPLというライセンス体系に基づいて、誰でも自由に改変・再配布することができる(ただし、改変・追加した部分はGPLに基づいて無償で公開しなければならない)。開発当初はIntel社のx86系マイクロプロセッサを搭載したコンピュータでしか動かなかったが、多くのプログラマによって、Alpha、SPARC、PowerPCなどのプラットフォームに移植された。 Linuxは他のOSに比べ、低い性能のコンピュータでも軽快に動作する。また、ネットワーク機能やセキュリティーに優れ、また非常に安定しているという特長を持つ。いらない機能を削ぎ落とし、必要な機能だけを選んでOSを再構築することができるという点も他の多くのOSには見られない特徴である。 本来、「Linux」とはカーネル(kernel)と呼ばれるOSの核となる部分のみを指す言葉だったが、Linuxカーネル上で動作するシステム全体を指す言葉としても用いられることが多い。Linuxは通常、コマンドやインストーラ、ユーティリティなど、システムの構築・運用に必要なソフトウェア群とともに配布される。カーネルとこれらのソフトウェアをまとめた配布パッケージをディストリビューション(distribution)という。 POSIX準拠のUNIX互換OSのカーネルまたは、そのカーネルを用いたOSの総称。 フィンランドのヘルシンキ大学の学生だったリーナス・トーバルズが開発したカーネルを、彼が中心になって皆で寄ってたかってOSに仕立て上げたもの。Linuxをディストリビューション化するためにGNUのコンポーネントを多用している為GNU/Linuxと言う呼び方をする事もある。(Linuxカーネル自身もGPLで配布されている) ソフトウェア開発における「バザールモデル」の成功例。 LinuxをOSとして使えるようにした何種類ものディストリビューションが公開、発売されている。 もともとはi386(x86)上で動作するOSとして作られたが、現在はi386だけではなくPowerPCやAlpha、SPARC、SuperH、Playstation 2、Cellなどで動作する。 MINIXを元につくられた(ソースコードを一部ないし全部を再利用していた、など)という主張をする人間がいるが、少なくともLinuxが世に出た時のソースコード(バージョン0.01)にそのような痕跡はない。 Linux Is Not UniXの略だと言うジョークもある(元ネタはGNU)。発音は「りぬくす」が原音に一番近い様だが、英語読みの「りなっくす」が一般的に普及している。*1 リーナスは元々自身のシステムとしてMinix OSを使っていて、これを自分で作成したOSと置き換え、この自作OSにLinux(Linus's Minix)という作業用の名前をつけた。しかし、この名前はあまりに自己中心的すぎると感じたため、freeとfreakを混ぜてUnixシステムを示すXの文字を足した「Freax」と名づけようとしていた。友人のアリ・レンクはリーナスにそのOSを簡単にダウンロードできるようにネットワークに置くことを勧め、リーナスに自分のFTPサーバを提供したが、アリはFreaxという名前が気に入っていなかったため、リーナスに linux というディレクトリを与えた。 1991年8月、リーナスはこの成果物をUsenetニュースグループ comp.os.minix で公開した[1]。 現在ではリーナス本人が書いたコードはLinuxカーネルのたった2%程度しかないものの、カーネルに新しいコードを追加する際の最終的な決定者としての役割を担っている。なお、X Window Systemやgccやパッケージ管理といった、オペレーティングシステム全体にかかわる事項については他の者が行っている。また、多くのLinuxディストリビューションはディストリビューションごとに独自のカーネルバージョンを持っている。リーナスはたとえ開発者の間で行われたものであっても、カーネルに関係しない議論からは距離を置くようにしているようである。リーナスが書き主導してきたLinuxカーネルと、他の大勢の開発者によるソフトウェア(特にGNUソフトウェア)とを一緒にしてLinuxディストリビューションと通称する。さらにこれを単にLinuxと呼ぶものも多い。またGNU/Linuxと呼ぶこともある。リーナス自身およびGNUの創設者リチャード・ストールマンは、GNUベースのディストリビューションは"GNU/Linux"という名称を残すべきだとの姿勢をとっている。 リーナスは「Linux」の商標を保有しており、その使用(および不正使用)を主に非営利団体Linux Internationalを通じて監視している。言うまでも無く「目玉の数さえ十分あれば商標違反は難しい」ので、世界中のLinuxコミュニティの助けも借りている。オープンソース本来の原則からリーナスは、Linuxに商標をつけることそのものを嫌っていたが、1995年に商標を取った。これは赤の他人がLinuxを商標登録したり、脅迫されたりする事態を避けるためである。 ubuntu,Ubuntu,centos,redhat,puppy,debian,gentoo,Gentoo