『外務省消息不明邦人対策課捜索室』 名前の通り、外国で行方不明になった日本人の捜索を担当する部署の人々の話。数話完結のシリーズに向いた話だね。不明邦人対策課というのは、外国で帰国が困難になったり、連絡を絶った日本人の安否を確認したり、帰国の手助けをしたりする課。捜索室というのは、その中で日本本国や現地の大使館からも消息が掴めなかった人間を直接捜索し、安否確認(場合によっては強制送還)するという部署。  キャラクター  ・主人公1:男性、三十代前半?この部署に入って長い。何事にも動じない正確だが、冷静と言うわけではない。慣れているせいか、仕事に対して普段はまるで誠意が無い。仕事で海外旅行が出来る程度に考えている様な人間だが、ここぞというときは真剣になる。しばらくは部署唯一の職員。  ・主人公2:女性、新卒採用。途中で捜索室に配属されてくる。主人公1と部署を見て、最初は(仮配属)自分が配属されたのは何かの間違いだとか、研修のための新人しごきだと思っていたが、すぐに正式な辞令が来てあきらめる。主人公1とは正反対な、真面目で若い情熱に溢れた仕事ぶりだが、経験不足でうまくいかないこともしばしば。感情の起伏が多くあり、やる気の無い1を叱ったり、失敗して落ち込んだりアクションは多彩。  今考えている話。  ・アモイ(台湾海峡中国側の都市)に旅行に行った日本人男性を探す話。手掛りゼロでスタート。時期は2が来る直前がいいかな。アモイ市内で写真片手に聞き込みを続ける1は、男性の足跡を辿るうちに不思議な体験(仏教的な幻覚を見る?謎めいた少女を目撃?男性の記憶を見る)をする。そしてタイ、インド、ネパールを経てチベット自治区ラサにたどり着く。極限的状況のなか、男性のつい最近の目撃情報を得てポタラ宮へ向かうが、チベット仏教に入信した彼はつい最近に亡くなっていた。彼の知り合いの僧侶から彼のカメラを受け取った1は、課長に報告して帰国の途に就くのであった。→世界秘境大全とかを見て書きたくなった。 2が来る前の1は、同じ課の別の部署のAさん(女性、三十代)に積極的に絡んで、ささやかに思いを寄せていた(外国からメールをしたり、食事にさそったり)が、2が来てからそれが無くなったと、Aさんに指摘される。1と2は、長く過ごす間に交流を通して関係を深めていく。  ・2が来てからの話。フランス在住の物理学学士が連絡を絶った!彼の専門は核物理学で、最近イスラム教過激派勢力との接触が疑われていた。彼とテロ組織とのつながりが確認された時点でフランスなりアメリカなり日本なりの諜報機関に事件として譲渡される(この時点では日本政府と外務省しか知らない)という条件で、彼らがフランスに派遣された。早速彼のアパルトマンに向かうと、荷物をもって出て行く彼を発見。声をかけると彼は逃げ出した。事態を確信した1は、彼を追いノルマンディーの地方空港へ。彼を目前に逃げられてしまう1たちだったが、便の行き先(スペインで燃料補給をしてUAEへ)を調べて追った。しかし、アブダビ国際空港に着いたとき、上司から男がアフガニスタンに亡命したと聞かされ、すぐ帰国するよう指示されるが、男性の態度に不信感を感じた2と1はそのまま調査を続ける。そして彼が宿泊しているホテルの部屋を突き止める。彼に事の真相を、本心を聞く。彼はフランスの大学の講師で、生徒と恋仲にあった。その生徒がイスラム過激派団体に拉致されたので、協力を強要されていたのだという。しかしその生徒はイスラム過激派とつながりがあり、男はいわゆるハニートラップにかかったのであった。そのことに気がついた男は、追っ手がつくと思いアパルトマンに荷物をまとめに戻り、その帰りに1たちに会い、追っ手と勘違いして逃げてしまったのだ。そして偶然乗った飛行機が中東行きだと知ったとき、すべてがどうでもよくなって亡命手続きをして、アフガニスタンに入ったのだという。なぜそんなことをしたという2の問いに男は『愛していたんだ』とだけ答えたのだった。そのあと男は公安調査庁の捜査員に引き渡され、帰国するのであった。亡命を含む一連の騒ぎは一切報道されておらず、海外渡航禁止を条件に、罪を免除されたことを後日談で語る。今回の一件で1と2が課長からお叱りを受けるシーンもいれたい。そのあと1と課長の二人で会話。 『お前や私はいいかもしれないが、彼女(2)はまだ出世のコース上にいるんだ。彼女の真っ白な経歴に泥がはねるような道は通るな』 「彼女自身は完全に脱線したと思ってるみたいだがな。確かに今回はやりすぎたと思うよ」 『彼女をみてると昔のお前を思い出すよ』 「ぜんぜん似てないと思うぞ。性格も態度も、能力も」 『似てないなりに似てるところがあるんだよ。そのうち分かるさ』  ・拉致された環境保護団体員  ・修行中の格闘家への訃報。